大切なご家族を自死で亡くされた方へ
このたびは、心よりお悔やみ申し上げます。突然の出来事を受け止めきれないまま、警察からの連絡や手続きに向き合わなければならない——今、そうした状況にいらっしゃるのだと思います。
ご遺族の方から最も多くいただくのは、「このあと、どうなるのですか」というお問い合わせです。警察はどこまで調べるのか、解剖されてしまうのか、いつ帰ってこられるのか、そして顔を見てお別れできるのか。どれも、誰にも聞けないまま抱え込んでしまいやすいことばかりです。
村岡葬研葬儀社は、警察が関わるご葬儀を専門に、通算400件以上をお手伝いしてまいりました。このページでは、自死によるご逝去のあと実際に何が起こるのかを、順を追ってご説明します。読み進めるのがおつらいときは、途中で構いません。24時間365日、匿名のままでもご相談を承ります。まだ警察署にいらっしゃる段階でも、何も決まっていない段階でも、お電話いただいて差し支えありません。
自死のあと、何がどの順番で進むのか
ご家族が亡くなられてからご葬儀までは、おおむね次の順序で進みます。まず全体像を持っていただくと、今ご自身がどこにいるのかが分かり、少し呼吸がしやすくなります。
- 警察への連絡と、現場の確認/病院以外で亡くなられた場合、警察が状況を確認します。数時間ほどかかることが一般的です。
- ご遺体の搬送と、検視・検案/警察署や検視の施設へお運びし、警察が検視を、医師が検案を行います。
- 解剖の要否の判断/検案で死因がはっきりすればここで終わります。必要と判断された場合のみ解剖が行われます。
- 死体検案書の発行と、お引き取りのご連絡/「お迎えに来てください」という連絡が警察から入ります。
- 葬儀社によるお迎え・ご安置/当社が警察署へお迎えに上がり、安置施設でお預かりします。
- お身仕度・ご対面/必要に応じてお顔やお身体を整えたうえで、ご家族にお会いいただきます。
- ご葬儀・火葬/直葬・火葬式、または家族葬というかたちでお見送りします。
ご遺族が動かなければならないのは、実質的には④以降です。①〜③の間、ご家族にできることはほとんどありません。この時間を「何もできない時間」と責める必要はありません。
なぜ警察が関わるのか──ご家族が疑われているわけではありません
医師は、自ら診察していない方について死亡診断書を交付することができないと定められています(医師法第20条)。そのため、生前に診療を受けていたかかりつけの医師が死因を判断できる場合を除き、ご自宅など病院以外で亡くなられたときは、ご遺体を確認した医師が異状を認めて警察へ届け出ることになります(同第21条)。そこから、亡くなった原因と事件性の有無を確かめる手続きが始まります。これが検視です。
ご家族から見て事情がはっきりしているように思える場合でも、この手続きが省略されることはありません。これはご遺族を疑うためのものではなく、亡くなった原因を公に確定させるための段取りです。事情聴取という言葉に身構えてしまわれる方も多いのですが、発見時の状況などを分かる範囲でお答えいただければ差し支えありません。気が動転してうまく話せないのは当然のことですので、どうかご自身を責めないでください。
警察が関わる場面の全体像については 警察対応の葬儀 でも詳しくご説明しています。
検視・検案で終わるのか、解剖になるのか
ご遺族が最も不安に思われるのが、この点です。「これ以上、身体に手を加えられるのか」というお気持ちは、当然のものです。
検視(警察)と検案(医師)の違い
検視は、事件性の有無を確認する手続きです。法律上は検察官が行うものとされていますが(刑事訴訟法第229条)、実務ではその指示を受けた警察官が担当することがほとんどです。検案は、医師がご遺体を確認して医学的に死因を判断することを指します。この二つは混同されやすいのですが、行う人も目的も異なります。検案で死因がはっきりすれば死体検案書が発行され、解剖まで行われずに手続きが進みます。自死によるご逝去では、このかたちで終わるケースが多くあります。
司法解剖が行われるのはどのようなときか
検視・検案の段階で事件性を否定しきれない場合や、死因の特定に医学的な確認が必要と判断された場合に、司法解剖が行われます。自死であることがはっきりしていれば、必ず司法解剖になるというものではありません。ただし、判断するのは警察と医師であり、ご遺族が断ることはできません。司法解剖の費用は公費で賄われるため、ご遺族の負担にはなりません。詳しくは 自死の場合、司法解剖は行われますか をご覧ください。
承諾解剖を求められた場合(神奈川県での費用の扱い)
司法解剖には当たらないものの死因をより詳しく調べたい場合に、ご遺族の承諾を得たうえで行う承諾解剖を提案されることがあります。こちらはご遺族が判断できるものです。
ここで注意していただきたいのが費用です。神奈川県では、承諾解剖の費用はご遺族のご負担となる運用です。「解剖は公費で無料」という説明を見かけることがありますが、それは監察医制度が置かれた地域(東京23区・大阪市・名古屋市・神戸市)で行われる行政解剖についての話であり、神奈川県には当てはまりません。承諾されるかどうかを判断される前に、費用の負担について警察や医師にお尋ねください。ご不明な点があれば、当社にお電話いただければ確認のしかたをご案内します。
ご遺体はどのようなお姿で戻るのか、お顔を見てお別れできるのか
言葉にしにくいけれども、ご遺族が最も気にされているのがこのことです。「最後に顔を見たい。でも、見て後悔しないだろうか」——そうした迷いを、私たちは数多くお聞きしてきました。
ご対面をためらわれる気持ちについて
首を吊られたかたちで見つかった場合など、お顔やお首まわりに変化が見られることがあります。亡くなられてからの時間や環境によっても状態は変わります。「怖い」と感じてしまうご自身を、薄情だと責めないでください。それは、生きているご家族を大切に思っていたからこそ生まれる感情です。
また、ご対面されるかどうかは、ご遺族が決めてよいことです。会わないという選択も、間違いではありません。お子さまやご高齢のご家族には見せない、というご判断をされる方もいらっしゃいます。
お顔を整えてからお会いいただくという選択
当社には、ご遺体の処置を専門とする納棺師・修復師が在籍しています。お顔やお身体の状態を確認したうえで、できる限り生前のお姿に近づけるお身仕度を行ってから、ご家族にお会いいただくことができます。検案や解剖のあとの処置についても同様です。
「その状態では見せられない」と最初から諦めてしまわれるご遺族が少なくありませんが、実際にはお身仕度を整えたことで穏やかにお別れができた、というケースが数多くあります。まずは当社にご相談ください。ご遺体の状態を確認したうえで、できること・難しいことを正直にお伝えします。処置の内容は ご遺体修復 をご覧ください。実際の対応例は 対応事例 にも掲載しています。
発見までに時間が経っていた場合
お一人でお住まいだった場合など、発見までに日数が経過していることがあります。その場合もお身仕度によって整えられることがありますので、ご対面を諦める前に一度ご相談ください。状況によってはお顔だけをお見せするなど、部分的なご対面という方法をご提案することもあります。
ご遺体はいつ戻ってくるのか──日数の目安
ご葬儀の日程も、ご親族への連絡も、ここが決まらないと動けません。おおよその目安は次のとおりです。
検視・検案のみで終わる場合は、当日から翌日、遅くとも数日のうちにお引き取りいただけることが多くあります。司法解剖が行われる場合は、そこからさらに日数がかかり、数日に及ぶこともあります。解剖を行う施設の受け入れ状況によっても前後します。
ただし、これはあくまで一般的な目安です。正確な見込みは、担当されている警察署にご確認いただくのが確実です。ご自身で警察に問い合わせるのが負担な場合は、当社がご状況を伺ったうえで、今どの段階にあり、あとどれくらいかかりそうかをご案内できます。お引き取りまでの時間の考え方は 検死後の葬儀 でもご説明しています。
お引き取りの当日に必要なもの・実際の動き
警察から「お迎えに来てください」と連絡が入ったら、葬儀社に依頼してお引き取りに向かうのが一般的です。ご遺族がご自身のお車でお運びになることを禁じる法律があるわけではありませんが、ご遺体を安全に保つことや、ご家族が運転しながら向き合うご負担を考えると、寝台車を持つ葬儀社にお任せいただくほうが現実的です。
お引き取りの際には、亡くなられた方とお引き取りに来られる方の身分証明書、印鑑、そして死体検案書の発行にかかる費用などが必要になることがあります。必要なものは警察署によって異なりますので、連絡を受けた際にその場で確認しておくと、二度手間になりません。当社にご依頼いただいた場合は、警察署とのやりとりや当日の段取りもお手伝いしますので、ご家族が何か所にも連絡を取る必要はありません。
ご事情によりご遺族が警察署へ行けない場合もございます。その場合の進め方もご相談に応じますので、遠慮なくお申し出ください。搬送そのものについては 遺体搬送 をご覧ください。
ご葬儀の形と、周囲への伝え方
自死によるご逝去の場合、ご家族だけで静かにお見送りしたいとご希望される方が大半です。当社でも、直葬・火葬式、あるいはご家族・近親者のみの家族葬をご案内することが多くなっています。
「簡素なかたちで送ることは、故人に失礼ではないか」と気にされる方がいらっしゃいますが、お見送りの形と、故人様を大切に思う気持ちは別のものです。ご遺族が落ち着いてお別れできることを、まず優先していただいて構いません。
周囲へお伝えする内容も、ご遺族が決めてよいことです。詳しい事情を伏せてお知らせされる方は少なくありません。これは事実を隠すことではなく、ご遺族ご自身と、ご家族の名誉を守るための当然の判断です。当社が事情を外部にお話しすることは一切ありません。お迎えの車両や時間帯、近隣への配慮についてもご希望を伺います。伝え方の具体的な考え方は 周囲への伝え方と参列者への対応 をご覧ください。ご葬儀の形の選び方は 家族葬・直葬の選び方 でご説明しています。
費用の全体像
費用は「葬儀社に払うもの」と「警察・医師に関わるもの」に分かれます。分けて把握しておくと、想定外の出費に慌てずに済みます。
当社の費用
警察対応プランは税込363,000円〜(税抜330,000円〜)で、検視・検案後のお迎えから、ご安置、行政手続き、火葬(直葬・火葬式)までを一括で承ります。お顔やお身体を整えるご遺体修復プランは税込121,000円〜、通夜・告別式まで行う家族葬プランは税込539,000円〜です。組み合わせてご利用いただけます。ご相談・お見積もりは無料で、追加請求はいたしません。詳しくは サービス内容・料金 をご覧ください。
警察・医師に関わる費用
死体検案書の発行にかかる費用は、ご遺族の負担となります。金額は地域や医師によって異なります。前述のとおり司法解剖は公費、神奈川県での承諾解剖はご遺族の負担という違いがありますので、承諾を求められた際には費用についても必ずご確認ください。
お支払いについて
お支払いは現金一括、または銀行振込(一括)で承っております。時期は原則として施行前の前払いですが、ご事情によっては後払いのご相談にも応じます。クレジットカード払い・分割払いには対応しておりません。ご葬儀の費用について不安がある場合は、最初のご相談の段階でお申し出ください。ご予算に合わせた形をご提案します。
ご自宅・お部屋のことについて
ご自宅で亡くなられた場合、そのお部屋をどうするかという問題が残ります。ご家族がご自身で片づけようとされると、心身への負担がとても大きくなります。
当社では、特殊清掃や原状回復、貸主・管理会社とのやりとりについても、提携する業者とともに進め方をご案内できます。賃貸のお部屋の場合は、退去や原状回復の話が早い段階で出てくることがありますので、ご葬儀のご相談とあわせてお伝えください。清掃の考え方は 特殊清掃、お部屋の片づけは 遺品整理 でご説明しています。
対応エリア
横浜市鶴見区を拠点に、神奈川県全域で24時間365日対応しています。県内の警察署・検視施設へのお迎えに対応しており、深夜・早朝・休日を問わずお伺いします。
東京都内も、追加の遠方搬送費をいただかずに神奈川県内と同額で対応しています。東京都・神奈川県以外(千葉県西部・静岡県東部・山梨など)については、別途費用にてご相談を承ります。対応地域の詳細は 対応エリア をご覧ください。
おひとりで抱え込まないために
自死でご家族を亡くされたご遺族は、「あのとき気づいていれば」「自分の言葉が違っていれば」と、ご自身を責めてしまわれることがあります。私たちがお伝えしたいのは、ご遺族の責任ではないということです。ご遺族が「あのとき」と繰り返し思い返されるのは、それだけ深く大切に思っていらしたからにほかなりません。
ご葬儀の準備と並行して、気持ちが追いつかないときには、ご遺族向けの相談窓口(自死遺族の支援団体、自治体の相談窓口、心療内科など)を利用されるのも選択肢の一つです。当社でもご希望に応じて関連機関のご案内を行っております。また、もしこのページをご覧の方ご自身がおつらい状況にいらっしゃる場合も、どうかおひとりで抱え込まず、公的な相談窓口にご連絡ください。
ご葬儀のご相談は、内容が決まっていない段階でも構いません。「何から聞けばいいか分からない」という状態のままお電話いただいて大丈夫です。24時間365日、匿名でのご相談も承ります。
よくあるご質問
首を吊ったかたちで見つかりました。顔を見てお別れできますか。
お顔やお首まわりに変化が見られることはありますが、納棺師がお身仕度を整えることで、穏やかにご対面いただけるケースが数多くあります。まずご遺体の状態を確認させていただき、できること・難しいことを正直にお伝えしますので、ご対面を諦める前に一度ご相談ください。
自死の場合、必ず司法解剖になるのでしょうか。
いいえ、必ず行われるものではありません。検視・検案の段階で死因がはっきりすれば、解剖まで行われずに死体検案書が発行されて手続きが進むケースが多くあります。解剖の要否を判断するのは警察と医師です。
ご遺体はいつ返してもらえますか。
検視・検案のみで終わる場合は当日から数日のうちにお引き取りいただけることが多く、司法解剖が行われる場合はさらに日数がかかります。正確な見込みは担当の警察署にご確認いただくのが確実ですが、当社でも状況を伺って見通しをご案内できます。
解剖の費用は誰が払うのですか。
司法解剖の費用は公費で賄われるためご遺族の負担にはなりませんが、神奈川県では承諾解剖の費用はご遺族のご負担となる運用です。承諾を求められた際は、判断される前に費用の負担について警察や医師にお尋ねください。
まだ警察署にいるのですが、この段階で連絡してもよいのでしょうか。
はい、検視・検案の途中の段階でご連絡いただいて差し支えありません。むしろ早めにご相談いただくほうが、お迎えや安置場所の手配がスムーズに進みます。何も決まっていない状態でのお電話で構いません。
事情を近所や職場に知られたくないのですが、配慮してもらえますか。
はい。お迎えの車両や時間帯、近隣への配慮についてご希望を伺ったうえで対応します。当社が事情を外部にお話しすることは一切ありません。ご親族へどこまでお伝えになるかも、ご遺族のご判断で構いません。
家族だけで見送りたいのですが、失礼にあたりませんか。
お見送りの形と、故人様を大切に思うお気持ちは別のものです。直葬・火葬式やご家族のみの家族葬を選ばれるご遺族は多く、失礼にはあたりません。ご遺族が落ち着いてお別れできることを優先していただいて差し支えありません。
費用がすぐに用意できるか不安です。
お支払いは現金一括または銀行振込(一括)で、原則として施行前の前払いをお願いしておりますが、ご事情によっては後払いのご相談にも応じます。ご予算に不安がある場合は、最初のご相談の段階でお申し出ください。ご希望に沿った形をご提案します。