ご家族が亡くなった際に、医師から発行される書類には「死亡診断書」と「死体検案書」の2種類があります。どちらも同じA3用紙の表面で構成されていますが、発行条件・記載内容・受領後の取扱いに違いがあります。本記事では、特に警察介入時に発行される「死体検案書」を中心に、ご遺族が知っておくべきポイントを解説します。
死亡診断書と死体検案書の違い
両者の最大の違いは、亡くなった方が「医師の診療継続中だったか」「死因が病気と関連していたか」 にあります。
| 項目 | 死亡診断書 | 死体検案書 |
|---|---|---|
| 発行されるケース | かかりつけ医の診療継続中・治療中の病気で死亡 | 警察介入・診療外死亡・死因不明 |
| 発行する医師 | 主治医・診療を担当した医師 | 警察医・監察医・法医学者 |
| 発行費用 | 3千円〜1万円程度 | 5千円〜1万円程度 |
| 検案料 | なし | 2〜3万円程度(神奈川県は遺族負担) |
| 法的効力 | 同等 | 同等 |
| 死亡届との関係 | どちらも死亡届に添付・提出 | 同左 |
つまり、警察介入があった場合は 死亡診断書ではなく死体検案書が発行される という違いです。
死亡診断書が発行される条件
医師法第19条・第20条に基づき、以下のような条件で発行されます。
- 生前に医師が継続的に診療していた
- 死亡の原因が、診療していた病気・けがと関連している
- 医師が直接死亡を確認した
これらが満たされない場合(突然死・自宅でかかりつけ医がいない場合・診療外の死因が疑われる場合)は、医師は「異状死」として警察に届出する義務があり、死亡診断書ではなく死体検案書の発行に切り替わります。
死体検案書が発行される条件
警察介入が必要な以下のケースで発行されます。
- 自宅・職場・外出先で突然亡くなった
- かかりつけ医がいない、または最後の診療から長期間経過
- 事故・自死・他殺・不慮の死
- 死因が病気と関連していない、または不明
- 一人暮らしで発見が遅れた
検視・検案を経て、医師(警察医・監察医)が死体検案書を作成・発行します。
死体検案書の記載内容
死亡診断書と同じ書式(A3用紙)で、以下の項目が記載されます。
- 氏名・生年月日・性別
- 死亡日時(推定の場合は「○年○月○日頃」と記載)
- 死亡したところ(住所・施設名)
- 死亡の原因
- 手術の有無
- 解剖の有無
- 検案の場所・日時
- 検案を行った医師の氏名・所属医療機関
死亡の種類(病死/外因死/不詳)の記載は、その後の手続きや保険金請求等に影響することがあるため、重要な情報です。
死体検案書の費用
警察介入時の費用は、ご遺族の自己負担となります(自治体により異なる)。
神奈川県内の場合
- 検案料: 2〜3万円(医師に支払う)
- 死体検案書発行料: 5千円〜1万円
- 合計目安: 2.5〜4万円
東京23区の場合(参考)
- 検案・検案書ともに全額公費負担(ご遺族の負担なし)
支払い方法は医師・医療機関により異なりますが、現金または振込のケースが多く、葬儀社を通じて代行してもらえる場合もあります。
死体検案書の受領後にやるべき手続き
死体検案書を受け取った後、ご遺族が進める手続きは以下の順で行います。
Step 1: コピーを取る(最重要)
死体検案書は、原本を市区町村役場に提出すると 返却されません。しかしその後の各種手続きで複数枚必要になります。
必ずコピーを10枚程度取っておいてください。
Step 2: 死亡届の提出
死亡を知った日から 7日以内(戸籍法第86条)に市区町村役場に提出します。
提出先
- 死亡した方の本籍地
- 死亡した場所の市区町村
- 届出人の住所地の市区町村
- 上記いずれかの役場
届出資格者(戸籍法第87条)
- 同居の親族
- その他の同居者
- 家主、地主または家屋・土地の管理人
- 同居していない親族
- 後見人、保佐人、補助人、任意後見人
必要なもの
- 死体検案書(医師の記入済み・右半分)
- 死亡届(左半分・届出人が記入)
- 届出人の印鑑
- 届出人の身分証明書
葬儀社が手続きを代行できる場合もあります。
Step 3: 火葬許可申請書の提出
死亡届を提出すると、市区町村から「火葬許可証」が発行されます。墓地、埋葬等に関する法律により、これがないと火葬できません。
Step 4: 健康保険・年金等の各種手続き
死体検案書のコピーを使って、以下の手続きを進めます。
健康保険の脱退・葬祭費請求
- 国民健康保険: 葬祭費 3〜7万円(自治体により異なる・神奈川県内は概ね5万円)
- 協会けんぽ・組合健保: 埋葬料 5万円
年金関係
- 年金受給停止届(死亡から10日以内)
- 未支給年金の請求
生命保険
- 加入していた生命保険会社へ請求
- 必要書類: 死体検案書のコピー・受取人の本人確認書類等
銀行口座
- 口座凍結手続き
- 相続手続き
公共料金・各種契約
- 電気・ガス・水道・電話・インターネット
- 各種サブスクリプション
- 賃貸住宅の場合は退去手続き
これら全てで死体検案書のコピーが求められるため、10枚程度のコピー が現実的に必要です。
よくあるご質問
死亡診断書と死体検案書では、手続きの手間は違いますか?
法的効力は同等で、手続き上の差はほとんどありません。生命保険や銀行手続きでも、どちらでも受理されます。
死亡の種類「病死」「外因死」「不詳」で何か変わりますか?
生命保険の災害割増(事故などの外因死が対象)や、契約内容による支払い可否の判断に影響することがあります。「不詳の死」の場合、保険金請求時に追加調査が入ることがあります。
死因の記載に納得できない場合、変更できますか?
医師が医学的判断で記載した内容のため、原則変更はできません。ただし新たな医学的根拠があれば、再検案を依頼できる場合があります。
死体検案書はいつもらえますか?
検視・検案が完了した時点で発行されます。事件性なしの場合は半日〜1日、解剖が入ると2〜3日後が目安です。
死体検案書を紛失したら再発行できますか?
同じ医師に依頼すれば再発行できますが、追加料金がかかります。原本は役所に提出すると返却されないため、コピーを必ず保管しておくことが重要です。
葬儀社が代行できる手続き
警察対応専門の葬儀社であれば、以下のような手続きをご遺族に代わって代行・サポートできます。
- 警察署・医療機関からの死体検案書受領
- 市区町村役場への死亡届・火葬許可申請の代行(一部条件下)
- 健康保険葬祭費請求の段取り
- 死体検案書のコピー対応
ご遺族の心理的・肉体的負担を最小化するため、葬儀社のサポートを最大限活用することをおすすめします。
警察介入時の書類対応もお任せください
村岡葬研葬儀社は、警察案件専門の葬儀社として、死体検案書の受領から葬儀完了までを一貫してサポートいたします。
- 警察署・医療機関からの書類受領代行
- 死亡届・火葬許可申請のサポート
- 各種手続きの順序のご案内
- ご遺族のご負担を最小化する段取り
- 24時間365日対応・神奈川県内全域対応
「これからの手続きが分からない」「何から始めればよいか不安」というご遺族のお気持ちに寄り添い、必要な手順を分かりやすくご案内いたします。
フリーダイヤル 0120-001-326 で24時間ご相談を受け付けております。ご相談だけでも構いません。お気軽にお電話ください。