ご家族が突然亡くなり、警察から「検死をします」と伝えられると、多くのご遺族がまず知りたいと思われるのが「それで、どれくらい時間がかかるのか」「ご遺体はいつ戻ってくるのか」という点です。お別れの準備を進めたくても、故人様が手元にいない状況では、葬儀の日程も決められません。
ここでは、検死にかかる時間を段階ごとに整理し、ご遺体がご家族のもとに戻るまでの日数の目安を、神奈川県で警察案件を専門に扱う村岡葬研葬儀社がご説明します。状況によって幅がありますので、一般的な流れとしてご参照ください。
検死にかかる時間の目安|まず結論から
検死にかかる時間は、解剖が行われるかどうかで大きく変わります。おおよその目安は次のとおりです。
| 状況 | ご遺体をお引き取りできるまでの目安 |
|---|---|
| 解剖なし(検視・検案のみ) | 当日〜翌日 |
| 調査法解剖・承諾解剖が行われる場合 | 数日程度 |
| 司法解剖が行われる場合 | 数日〜1週間程度 |
| DNA鑑定が必要な場合 | 10日〜2週間、長い場合は1か月程度 |
| ご遺体の損傷が大きい場合 | 1か月以上かかることもあります |
実際には解剖まで至らないケースが多く、当日または翌日にお引き取りいただけることも少なくありません。「検死」と聞くと何週間もかかるように感じられる方が多いのですが、必ずしもそうではありません。
ただし、これはあくまで目安です。警察署や担当医師の状況、亡くなられた時間帯、休日をはさむかどうかによって前後します。正確な見通しは、ご遺体をお預かりしている警察署にご確認ください。
そもそも「検死」とは|検視・検案・解剖の違い
「検死」は正式な法律用語ではなく、亡くなった方をお調べする一連の手続きをまとめて指す言い方として使われています。実務上は、次の3つに分かれます。
| 段階 | 行う人 | 内容 | 時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 検視 | 警察(検視官・司法警察員) | 事件性の有無を確認する | 数時間程度 |
| 検案 | 医師(検案医) | 死因を判断し死体検案書を作成する | 当日〜翌日 |
| 解剖 | 法医学者・医師 | 検視・検案で死因がわからない場合などに行う | 数日〜 |
この一つひとつにかかる時間が積み重なって、ご遺体が戻るまでの日数が決まります。ご家族が「検死にどれくらいかかるのか」と心配される部分は、ほとんどの場合この3段階のうち解剖まで進むかどうかで決まると考えていただいて差し支えありません。
検視にかかる時間|警察による現場確認は数時間程度
検視は、警察官や検視官が、亡くなられた現場の状況とご遺体を確認し、事件性の有無を判断する手続きです。所要時間は数時間程度が一般的です。
ご自宅で亡くなられた場合、警察の方が到着してから現場の写真撮影、ご遺体の確認、ご家族への聞き取りが行われます。この聞き取りは、ご家族を疑っているわけではなく、亡くなられた経緯を確認するために必要な手続きです。ご遺体はその後、警察署または医師のもとへ搬送されます。
この間、ご遺族が現場で待機し続ける必要はありません。当社では警察署と直接やり取りし、お引き取りできる日時が決まりしだいご連絡する形をとっています。
検案にかかる時間|死体検案書が出るまで
検案は、医師がご遺体を調べて死亡を確認し、死体検案書を作成する手続きです。検視と同じ日、あるいは翌日に行われることが多く、解剖に至らなければこの時点で手続きが完了します。
死体検案書は、死亡届の提出と火葬許可の取得に欠かせない書類です。この書類が発行されて初めて、葬儀の日程を確定できます。逆に言えば、死体検案書が出るまではご遺体をお引き取りいただくことができません。
なお、検案には医師への費用(検案料)が発生し、ご遺族のご負担となるのが一般的です。金額は地域や医師によって異なります。
解剖が必要になった場合|何日かかるのか
検視・検案だけでは死因がはっきりしない場合や、事件性が疑われる場合には、解剖が行われることがあります。解剖には主に次の種類があり、どれに当たるかで日数が変わります。
| 種類 | どんなときに行われるか | 日数の目安 |
|---|---|---|
| 司法解剖 | 犯罪性が疑われる場合。裁判所の許可を得て法医学者が行う | 数日〜1週間程度 |
| 調査法解剖(新法解剖) | 事件性はないが死因を明らかにする必要がある場合。警察署長の権限で行う | 数日程度 |
| 承諾解剖 | ご遺族の承諾を得て行う | 数日程度 |
| 行政解剖 | 監察医制度が置かれている地域で行われる | 数日程度 |
解剖そのものは通常1日で終わりますが、その後の検査や書類の作成に時間を要するため、ご遺体が戻るまでには数日以上かかるのが一般的です。
費用の扱いも種類によって異なります。司法解剖は公費で行われ、ご遺族の費用負担はありません。一方、承諾解剖はご遺族の費用負担が生じることがありますので、承諾を求められた際は、費用がかかるかどうかをその場でご確認ください。詳しくは解剖の費用は誰が負担するのかで解説しています。
司法解剖にかかる時間をさらに詳しくお知りになりたい場合は、司法解剖にかかる時間はどれくらい?もあわせてご覧ください。
検死が長引く4つの理由
想定より時間がかかっている場合、次のような事情が背景にあることが多いです。
1つめは、DNA鑑定が必要になった場合です。死因や身元を確定するためにDNA鑑定が行われると、結果が出るまで早くて10日から2週間ほど、長い場合は1か月程度かかることもあります。
2つめは、ご遺体の損傷が大きい場合です。おひとり暮らしの方が長く発見されなかったケースなどでは、確認に時間を要し、1か月以上かかることもあります。
3つめは、休日や連休をはさんだ場合です。解剖を担当する機関や書類を扱う窓口が動いていない日があると、その分だけ後ろにずれます。
4つめは、身元の確認が必要な場合です。身元がわからない状態で発見された場合、ご家族へ連絡が入るまでにも時間がかかります。
いずれの場合も、ご遺族に落ち度があるわけではありません。正確な死因を明らかにするために必要な手続きですので、どうかご自身を責めないでください。
ご自宅で亡くなられた場合、検視は何日かかるか
ご自宅で亡くなられ、かかりつけ医のいない状態で発見された場合は、警察による検視が行われます。事件性がないと判断されれば、当日または翌日にはご遺体をお引き取りいただけることが多いのが実情です。
「自宅で亡くなったのに、なぜ警察が来るのか」と戸惑われる方が多くいらっしゃいます。これは亡くなられた方やご家族を疑っているからではなく、医師の診療を受けていない状態での死亡は、法律上、警察が状況を確認することになっているためです。詳しくは変死とは?事件ではありませんでご説明しています。
神奈川県での実務|監察医制度がない地域の流れ
行政解剖は、監察医制度が置かれている一部の地域でのみ行われます。この制度が置かれているのは東京23区・大阪市・名古屋市・神戸市で、神奈川県内(横浜市・川崎市・相模原市を含む)には監察医制度がありません。
そのため神奈川県では、事件性がなく死因がはっきりしない場合には、検案で完結するか、調査法解剖や承諾解剖といった形がとられることがあります。地域によって実務の運用は異なりますので、詳しくは警察や担当の医師にご確認ください。
結果を待つ間に、ご家族ができる4つの準備
検死や解剖でお待ちいただく時間が生じる場合でも、その間に進められる準備があります。
1.ご安置先を決めておく。ご遺体が戻ってからどこにお預けするかを先に決めておくと、当日慌てずに済みます。ご自宅にお連れするか、安置施設をお使いになるかを検討しておきましょう。
2.葬儀の形式をご家族で相談しておく。火葬のみにするか、通夜・告別式まで行うかによって、必要な準備も費用も変わります。
3.ご連絡先を整理しておく。誰にどこまでお伝えするかを決めておくと、ご遺体が戻ってからの負担が軽くなります。
4.葬儀社を先に決めておく。お引き取りの連絡は突然入ります。あらかじめ依頼先が決まっていれば、その場ですぐお迎えに上がれます。検死後の葬儀・ご遺体の引き取りもあわせてご覧ください。
よくあるご質問
検死にかかる時間は最短でどれくらいですか?
解剖が行われない場合、検視・検案は半日程度で終わることが多く、当日中にご遺体をお引き取りいただけるケースもあります。ただし警察署や医師の状況によって前後しますので、目安としてお考えください。
検死の間、家族は警察署で待っていなければいけませんか?
待機し続ける必要はありません。ご連絡先をお伝えいただければ、手続きが終わった段階で警察署からご家族に連絡が入ります。当社にご依頼いただいている場合は、当社が警察署とやり取りし、日時が決まりしだいご連絡いたします。
検死が終わる前に葬儀の日程を決められますか?
確定はできません。死体検案書が発行されないと死亡届の提出と火葬許可の取得ができないためです。ただし、ご安置先や葬儀の形式を決めておくことはできますので、その準備を進めておかれることをおすすめします。
検死や解剖でご遺体の外見は変わりますか?
解剖が行われた場合、縫合の痕が残ることがあります。当社では、ご希望に応じて処置を行い、お顔を整えたうえでご家族とご対面いただけるよう努めています。ご心配な点は事前にお申しつけください。
検死にかかった費用は誰が払いますか?
司法解剖は公費で行われ、ご遺族の負担はありません。一方、医師による検案の費用(検案料)はご遺族のご負担となるのが一般的です。承諾解剖もご遺族の費用負担が生じることがありますので、承諾を求められた際にご確認ください。
ご遺体がいつ戻るか不安なときは、ご相談ください
検死にかかる時間は、解剖がなければ当日から翌日、解剖が入ると数日以上、DNA鑑定が必要になれば2週間以上と、状況によって大きく幅があります。見通しが立たない時間はご家族にとって長く感じられるものです。
村岡葬研葬儀社は、警察案件を専門に神奈川全域で24時間365日ご相談を承っています。検視の段階からのご相談にも応じておりますので、「いつ戻るのかわからない」「何を準備すればいいのかわからない」というときは、どうぞお一人で抱え込まずにお問い合わせください。検視の流れとかかる日数もあわせてご確認いただけます。