ご家族が亡くなり、警察から「司法解剖を行う」と告げられると、「いったいどれくらい時間がかかるのか」「いつご遺体が戻り、葬儀ができるのか」と、不安でいっぱいになるご遺族は少なくありません。
ここでは、司法解剖にかかる時間を「解剖そのものの時間」と「ご遺体が戻るまでの日数」に分けて、解剖の種類や費用、神奈川県での実務もあわせてわかりやすく解説します。
まず、あわてて葬儀の日程を決める必要はありません。「司法解剖」と言われると、ご遺体が長く戻らないのではと不安になりますが、死因がはっきりしていれば翌日〜数日でお戻しいただけることも少なくなく、見通しは立てられます。大切なのは、正確な情報をもとに落ち着いて準備を進めることです。当社が警察に見通しを確認し、お戻しの時期の目安をお伝えすることもできますので、どうか一人で抱え込まないでください。
司法解剖にかかる時間は2つに分けて考える
司法解剖(犯罪性が疑われるご遺体について、死因や状況を詳しく調べる解剖)にかかる時間は、大きく2つに分けて考えると整理しやすくなります。
ひとつは「解剖そのものにかかる時間」、もうひとつは「解剖が決まってからご遺体が手元に戻るまでの日数」です。ご遺族の生活に影響するのは、主に後者の日数です。まずは前提として、解剖にはいくつかの種類があることを知っておくと、見通しが立てやすくなります。
解剖にはいくつかの種類がある
ひとくちに解剖といっても、目的によって種類が分かれます。司法解剖は、犯罪性が疑われる場合に、警察や検察の判断で行われる解剖です。法医学を専門とする医師が、大学の法医学教室などで実施します。
これに対して行政解剖は、監察医制度のある地域で、死因がはっきりしないご遺体を調べるために行われるものです。さらに、ご遺族の承諾のもとで行う承諾解剖などもあります。どの解剖にあたるかによって、手続きや日数の見通しが変わってきます。
解剖そのものにかかる時間
解剖そのものは、一般的に2〜4時間ほどで終わるとされています。ご遺体の状態や調べる内容によっては、4〜5時間以上かかることもあります。
解剖はまず、衣服を脱がせて全身の状態を細かく確認する外表の観察から始まり、その後、必要な範囲で詳しい検査が行われます。検査の結果がまとまるまでには、解剖の当日以降も一定の時間がかかります。
ご遺体が戻るまでの日数
ご遺族が最も気にされるのは、解剖の決定からご遺体が戻るまでの期間です。これはケースによって幅があります。
死因がはっきりしている場合は、翌日から数日でお戻しいただけることもあります。一方、不審な点があって追加の検査が必要な場合は1週間程度、DNA鑑定などを要する場合は10日以上かかることもあります。ご遺体の損傷が大きく死因の特定に時間がかかるときには、1か月以上に及ぶこともあります。
いつ戻るかは警察や担当の法医学者の判断によります。具体的な見通しは、警察とのやり取りに慣れた葬儀社を通じて確認していくのが確実です。
神奈川県での解剖の実務
解剖の取り扱いは地域によって事情が異なります。監察医制度は、歴史的に指定された東京23区など一部の大都市で運用されてきた制度で、横浜市・川崎市・相模原市をはじめとする神奈川県内では、実務上、監察医による行政解剖は行われていません。
死因を調べる必要がある場合は、犯罪性が疑われるときの司法解剖のほか、死因や身元を明らかにするための調査法解剖、ご遺族の承諾を得て行う承諾解剖などによって対応されます。地域ごとに解剖の取り扱いが異なることを知っておくと、説明を受けたときに落ち着いて理解しやすくなります。
司法解剖の費用とご遺族の負担
司法解剖は、警察や検察の判断によって国の費用で行われます。そのため、解剖そのものについてご遺族が費用を負担することはありません。
これは、ご遺族の希望でご遺体を引き取って行う一部の解剖とは異なる点です。費用の負担を心配して解剖を断る、といった必要はありません。なお、ご遺体の搬送や葬儀にかかる費用は別途必要になります。
解剖を待つ間にご遺族ができる準備
ご遺体が戻るのを待つ間は、何もできずに時間だけが過ぎていくように感じられるものです。しかし、この間にも進められる準備があります。
たとえば、葬儀社を決めておく、遠方の親族へ連絡しておく、死亡届や火葬の手続きに必要な書類を確認しておく、といったことです。葬儀社を先に決めておけば、ご遺体が戻り次第すぐに動けます。
葬儀ができるのはいつからか
葬儀の準備に必要な死体検案書(病院以外で亡くなった場合に医師が発行する、死亡を証明する書類)は、解剖や検案がすべて終わってから交付されます。この書類がそろわないと死亡届を提出できず、火葬の許可も下りません。
つまり、司法解剖が終わるまでは葬儀の日程を確定できないことになります。なお、解剖を経たご遺体は、丁寧に処置されたうえでお戻しされますので、その点はご安心ください。
よくあるご質問
司法解剖には何日かかりますか?
解剖そのものは2〜4時間ほどで終わります。ご遺体がお戻りになるまでの日数は、死因がはっきりしていれば翌日〜数日、追加の検査が必要な場合は1週間程度、DNA鑑定などを要する場合は10日以上かかることもあります。
司法解剖の費用は誰が払うのですか?
司法解剖は警察・検察の判断で行われるため、費用は全額公費負担で、ご遺族に解剖費用が請求されることはありません。解剖後のご遺体の搬送・葬儀には葬儀社費用がかかります。
解剖を待つ間に、葬儀の準備を進めてもいいですか?
はい。ご遺体が戻るまで日程は確定できませんが、葬儀社への相談、プランや斎場の検討、親族への連絡などは先に進めておけます。当社にご相談いただければ、戻る時期の見通しに合わせて段取りを整えます。
解剖のあと、ご遺体はきれいな状態で戻りますか?
解剖の痕は、専門の納棺師・修復師による処置で目立たないように整えることができます。お顔を見てお別れできるよう、ご遺体の修復・保全にも対応していますので、ご希望をお聞かせください。
見通しが立たないときはご相談ください
村岡葬研葬儀社では、警察案件を専門に、神奈川全域で24時間365日ご相談を承っています。司法解剖の進み具合に合わせて警察とやり取りし、ご遺体が戻る時期の見通しや、その後の葬儀の段取りをお手伝いします。
「いつ戻るかわからず動けない」という不安な時間こそ、経験のある葬儀社が間に入ることで、少しでも落ち着いて次の一歩を考えていただけます。どうぞお気軽にお声がけください。