CASE STUDY

【実例】「事件性はありません」と言われた日|あの日、電話が鳴った・第六話

この記事を書いた人

村岡葬研葬儀社 代表 村岡 淳次

警察案件対応30年以上。警察が介入した死亡事案における、ご遺体のお迎え・搬送・安置・ご処置・ご葬儀まで対応しています。

警察から「事件性なし」と言われたら、どうすればいい?

警察から「事件性はありません」と説明されても、すぐにご遺体を引き取れるとは限りません。

事件性についての判断と、医師による死因の確認は別だからです。検案や必要な手続きが残っている場合があります。

また、警察から「葬儀社を決めてください」と言われた場合は、ご遺体の返還日時が決まっていなくても葬儀社へ相談できます。

村岡葬研葬儀社では、警察署等からのお迎え、ご遺体のお預かり、安置・お着替え・ご処置、ご葬儀まで一括して対応しています。

まずは警察から受けた説明を、そのままお聞かせください。

「事件性はないと言われました。これからどうすればいいですか」

その段階からご相談いただけます。

「事件性はありません」

警察署の一室だった。

机の上には書類が置かれていた。

向かいに座った警察官が、父の死亡について説明している。

発見された時の状況。警察が確認したこと。これから必要になる手続き。

一通りの説明の後、警察官が言った。

「現時点では、事件性は認められていません。」

その言葉を聞いて、少しだけ安心した。

誰かに何かをされたわけではない。事件に巻き込まれたわけではない。

少なくとも、その時はそう受け止めた。

「そうですか……。」

ようやく出た言葉だった。

しかし、すぐに別の疑問が浮かんだ。

「それなら、父を連れて帰れますか。」

警察官は、この後の確認について説明を続けた。

まだ返還の予定は決まっていなかった。

「事件ではないんですよね。」

「はい。現時点では、そのように判断しています。」

「でも、まだ帰れないんですか。」

説明を聞きながら、私は初めて知った。

事件性がないこと。死因を確認すること。父を引き取れること。

それぞれ、別の話だった。

「事件性なし」とは?警察が関わる理由

自宅で突然亡くなっているところを発見された場合や、死亡の経緯・死因が明らかでない場合などには、警察が状況を確認することがあります。

警察が関わったからといって、必ず事件であるという意味ではありません。

確認の結果、事件性が認められないと判断される場合もあります。

ただし、ここで重要なのは、「事件性がない」ことと「死因が医学的に明らかになっている」ことは別という点です。

事件性がないと説明されても、医師による検案や、状況によっては解剖などが必要になる場合があります。

そのため、警察から「事件性はありません」と言われただけでは、ご遺体の返還日時まで確定したとは限りません。

「事件性はない」という言葉の意味は、「事件性はない」と警察に言われたら|その意味と、ご遺族にこれから起きることでも詳しくお伝えしています。

検視・検案・解剖の違い

  • 検視:警察などがご遺体や死亡時の状況を調べ、犯罪に関係する可能性などを確認する手続き。
  • 検案:医師がご遺体を医学的に調べ、死因などについて判断すること。
  • 解剖:必要に応じて、ご遺体の内部を調べ、死因などを詳しく確認すること。

実際にどの手続きが行われるかは、案件や適用される制度によって異なります。

検視と検案の違いは、検視と検案の違い|警察介入時にご遺族が知っておくべきことでも詳しくお伝えしています。

「事件性なし」と言われた後の流れ

事件性が認められない場合でも、必要な確認や手続きが終わってから、ご遺体が返還されることがあります。

一般的な流れは次のとおりです。

① 警察による状況確認

死亡時の状況やご遺体について、必要な確認が行われます。

② 医師による検案・必要に応じた解剖

死因の確認などが行われます。案件によっては、さらに検査が必要になる場合もあります。

③ ご遺体の返還についての案内

返還の見通しが立つと、警察などからご家族へ案内されます。

④ 葬儀社によるお迎え・搬送

返還場所と時間を確認し、寝台車でご遺体をお迎えします。

⑤ ご安置・ご処置・ご葬儀

ご遺体を安置し、必要なお着替え・ご処置を行い、ご家族と葬儀について相談します。

※手続きの順序や内容は案件によって異なります。「事件性なし」と説明される時点も一律ではありません。

「お父さん、どうだった?」

警察署を出て、車に戻った。

エンジンを掛ける前に、家族から電話が来た。

「警察、どうだった?」

「事件ではないって。」

「そう……よかった。」

少しの沈黙。そして、聞かれた。

「お父さんは、いつ帰ってくるの?」

「まだ分からない。」

「事件じゃないんでしょ?」

「そうなんだけど……。」

説明できなかった。

警察から聞いた話を、自分でも整理できていなかった。

事件ではなかった。それは分かった。

でも、父が亡くなった事実は変わらない。

事件性がないと分かっても、父を迎えに行く日はまだ決まっていなかった。

「事件性なし」と言われた後、葬儀社にはいつ連絡する?

警察から「葬儀社を決めてください」「ご遺体を引き取る手配をしてください」と言われた場合は、返還日時が未定でも葬儀社へ相談できます。

葬儀の内容をすべて決めてから電話する必要はありません。

まず必要なのは、ご遺体のお迎えと安置の準備です。

警察から受けた説明を整理し、返還の見通しに合わせて準備を進めます。

村岡葬研葬儀社では、警察署等からのお迎え、ご遺体のお預かり、安置・お着替え・必要なご処置、ご葬儀まで一括して対応しています。

私が警察案件で実際に確認する6つのこと

警察案件のご相談をいただいた際、私が最初に必ず確認するのは、「警察が介入していますか」ということです。

警察が介入している場合、通常の病院からのお迎えとは、確認すべき内容が異なることがあるためです。

そのうえで、次の6点を整理します。

① 警察署と担当部署

どこの警察署が対応しているのか。担当部署や担当者は分かるか。

② 検案の状況

検案は終わっているのか。これから医師による確認が予定されているのか。

③ 解剖の有無

解剖について説明を受けているか。返還予定に影響する手続きが残っていないか。

④ ご遺体の返還日時と場所

返還日は決まっているか。時間は未定か。警察署からの返還か、別の施設からの返還か。

⑤ ご遺体の状態と安置先

お迎え後、どこへご安置するか。必要な処置や準備は何か。

村岡葬研葬儀社では、当社でご遺体をお預かりし、安置・お着替え・必要なご処置まで対応することを基本としています。

⑥ 死亡診断書・死体検案書

どちらの書類が作成されるのか。いつ、どこで受け取ることになるのか。

実際の発行・受け取りについては、担当の医師や関係機関の案内に従います。

ご家族が、これらをすべて確認してから電話する必要はありません。

警察から聞いたことを、そのままお話しいただければ構いません。

「事件性なし」と言われた後によくある質問

事件性なしなら、すぐにご遺体を引き取れますか?

必ずしもすぐに引き取れるとは限りません。検案などの必要な手続きが残っている場合があります。

返還の見通しは担当警察官へ確認してください。

検視後の返還時期や搬送については、第五話「検視は終わりました」で詳しくお伝えしています。

事件性がなくても、解剖されることはありますか?

あります。死因を明らかにするため、事件性が認められない場合でも解剖などが行われることがあります。

解剖の種類や法的な手続きは、案件や地域によって異なります。解剖の種類による違いは、司法解剖と行政解剖の違い|遺族の負担と費用を完全解説でもお伝えしています。

事件性なしと言われたら、死因も確定していますか?

必ずしもそうではありません。

事件性についての判断と医学的な死因の判断は別です。死因については、担当の医師や警察から受けた説明を確認してください。

事件性なしと言われた後、葬儀まで何日かかりますか?

検案や解剖の有無、ご遺体の返還時期、火葬場の予約状況などによって異なります。

一律に何日とは言えませんが、返還予定が決まる前から葬儀社へ相談し、準備を進めることはできます。

事件性がない場合でも、死体検案書は必要ですか?

死亡時の状況や医師の判断により、死亡診断書または死体検案書が作成されます。

どちらが発行されるか、受け取り方法は担当医師や関係機関へ確認してください。死体検案書については、死体検案書と死亡診断書の違い|発行条件・費用・受領後の手続きでも詳しくお伝えしています。

返還されたご遺体は、どこに安置されますか?

ご自宅や安置施設などへ搬送する方法があります。

村岡葬研葬儀社では、ご遺体を当社でお預かりし、安置・お着替え・必要なご処置まで対応することを基本としています。

ご自宅での安置が難しい場合もご相談ください。

警察から「事件性なし」と言われたら確認する5つのこと

  1. 検視・検案などは終わっているか
  2. 解剖など、今後予定されている手続きはあるか
  3. ご遺体はいつ頃返還される見込みか
  4. 返還場所はどこか
  5. 葬儀社はいつ、どこへ迎えに行けばよいか

分からない項目があっても構いません。

警察から聞いたことを、そのまま葬儀社へお伝えください。

「事件性はありません」の、その先にあるもの

警察から「事件性はありません」と説明された時、ご家族は少しだけ安心することがあります。

しかし、そこで終わりではありません。

ご遺体の返還。お迎え。安置。そして、葬儀。

これから決めなければならないことがあります。

事件ではなかった。でも、大切な人を失った事実は変わらない。

その状況で、ご家族がすべての手続きを理解し、準備するのは簡単なことではありません。

私は警察案件に30年以上携わる中で、専門用語を説明すること以上に、今何が決まっていて、次に何をする必要があるのかを整理することが重要だと考えてきました。

警察から「事件性はありません」と言われた。でも、何をすればいいのか分からない。

そんな時は、現在分かっていることだけでもお聞かせください。

村岡葬研葬儀社|警察案件のご遺体引き取り・安置・葬儀

全国の警察案件に対応しています。お住まいの地域や、ご連絡を受けた警察署の場所にかかわらず、まずはご相談ください。

警察署等へのお迎え → ご遺体のお預かり → 安置・お着替え・ご処置 → ご葬儀まで一括して対応します。

ご家族が警察から受けた説明をもとに、お迎えに必要な確認事項を整理します。

「事件性なしと言われました。遺体の引き取りをお願いしたいのですが」

そのお電話からご相談いただけます。

「あの日、警察から電話が鳴った。」警察案件実録シリーズ

第一話「葬儀社を決めてください」

警察から突然、葬儀社を決めるよう言われた時の流れをお伝えしています。

第二話「身元確認をお願いします」

「お父様で間違いありませんか。」「……はい。父です。」身元確認後の流れを実録形式でお伝えしています。

第三話「ご遺体を引き取りに来てください」

検案を待ち、警察署から故人様を寝台車でお迎えするまでをお伝えしています。

第四話「行政解剖になります」(準備中)

第五話「検視は終わりました」

警察から「検視は終わりました」と言われても、すぐには帰ってこない。ご遺体の返還を待つご家族の時間と、確認したいことをお伝えしています。

第六話「事件性はありません」(この記事)

第七話へ続く。

※掲載許可をいただいたうえで掲載しています。プライバシー保護のため、内容の一部を変更・編集しています。

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