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村岡葬研葬儀社 代表 村岡 淳次
警察案件対応30年以上。検視・検案・行政解剖・司法解剖後のご遺体搬送、ご安置、ご葬儀まで数多く対応。
警察から「ご遺体を引き取りに来てください」と言われた方へ
警察から、「ご遺体を引き取りに来てください」「葬儀社を手配してください」「ご遺体のお迎えをお願いします」などと言われた場合、まず確認したいのは次の4点です。
- ご遺体が返還される場所
- 返還予定の日時
- 警察署の担当部署・担当者
- 検視・検案などが終了しているか
すべて分からなくても構いません。分かる範囲で警察から説明を受け、その内容を警察案件に対応できる葬儀社へ伝えてください。
村岡葬研葬儀社では、警察署へのご遺体のお迎えから搬送、ご安置、ご葬儀まで対応しています。
警察から突然「葬儀社を決めてください」「ご遺体の引き取りをお願いします」と言われ、何をすればいいのか分からない場合は、今、警察からどこまで説明を受けているのかをお聞かせください。そこから必要なことを一つずつ整理します。
警察署へ行けば、すぐに故人様を連れて帰れるとは限りません
ここは、ご家族に知っておいていただきたいところです。
警察からご遺体の返還について連絡があっても、「警察署へ行けば、すぐに出発できる」とは限りません。
検案医の到着。検案。警察側の手続き。死体検案書などの書類。それらを待つ場合があります。
警察案件では、病院からの搬送とは違う、「待つ時間」があります。
今回は、私が実際に神奈川県内の警察署へご遺体のお迎えに伺った一件についてお話しします。
80歳のお母様でした
一人暮らしをされていた、80歳のお母様でした。
連絡が取れないことを心配した息子さんが実家を訪ね、倒れているお母様を発見しました。
救急車を呼ぶ。救急隊から警察にも連絡するよう促され、警察へ電話する。救急隊が到着する。警察が到着する。
その後、現場は救急から警察へ引き継がれました。現場確認などが行われ、お母様のご遺体は警察によって警察署へ搬送されました。
そして息子さんから、村岡葬研葬儀社へご連絡をいただきました。
「明日の朝一で○○先生ですか」
ご家族からご依頼をいただいた後、私は警察へ連絡しました。
警察案件では、ご家族に代わって葬儀社が警察と直接やり取りする場面があります。
担当者へ確認します。
「明日の朝一で○○先生ですか。」
警察からの返事は、「その予定です。時間が決まりましたらお電話入れます。」
「分かりました。よろしくお願いします。」
これだけです。長い説明はありません。
でも、警察案件を長くやっていると、この短いやり取りで次に何をすればいいのか分かります。
まだ迎えには行けない。検案医の予定を待つ。検案が終わり、故人様をお預かりできる状態になるのを待つ。そして、ご家族へ今の状況を伝える。
翌朝、寝台車で警察署へ
翌朝。寝台車で警察署へ向かいました。
この仕事を30年以上やっています。警察署へのお迎えは、数え切れないほど経験してきました。
それでも、警察署へご遺体を迎えに行く朝には、独特の空気があります。
病院へのお迎えとは違う。施設へのお迎えとも違う。警察案件には、「待つ時間」があります。
寝台車を駐車する。受付へ向かう。
私はいつものように名乗りました。
「村岡葬研です。○○様のお迎えで伺いました。刑事課の○○さん、お取次ぎお願いします。」
受付から担当部署へ連絡が入る。少し待つ。やがて担当者が出てきました。
「先生、もう少しで来られます。もう少しお待ちください。」
「分かりました。」
私は寝台車へ戻りました。
待つ
エンジンを切る。車の中で待つ。
あと10分なのか。30分なのか。もう少しかかるのか。こちらでは決められない。
検案医が到着し、検案が終わらなければ、故人様をお連れすることはできません。
だから、待つ。
時計を見る。警察署から人が出てくる。「先生かな。」また待つ。
検案医が到着する
しばらくして、検案医が到着しました。検案が始まります。
ここからは、警察と医師の時間です。葬儀社が急かす場面ではありません。私は再び待ちます。
警察署の駐車場では、普通の日常が流れています。パトカーが出ていく。警察官が戻ってくる。一般の方が受付へ入っていく。
そのすぐそばで、一つの家族にとっては、人生で一度あるかないかの時間が流れている。
この仕事を長くしていると、その対比を何度も見ることになります。
「終わりました」
やがて、担当者から声が掛かります。
検案が終わった。返還の準備に入る。
ここから、私たち葬儀社の仕事です。
警察署からご遺体をお預かりするとき、必ず確認すること
警察署から故人様をお預かりする際、私は必ず確認をします。
この案件でも確認したのは、リストバンド。ネームシール。そして、ご遺体の状況。
故人様は納体シートで覆われていました。そのため、この時点ではお顔を直接確認できませんでした。
だからこそ、確認できる情報を一つずつ確認します。
警察からお預かりした故人様を、間違いなくご家族のもとへお連れする。当たり前のことです。
でも、この仕事では、その「当たり前」を絶対に雑にしてはいけない。私はそう考えています。
寝台車へ
ストレッチャーを準備する。故人様をお乗せする。寝台車まで移動する。車内へお乗せする。固定を確認する。ドアを閉める。
これで出発。
……ではありません。
まだ、待ちます。
死体検案書を待つ
この案件では、故人様を寝台車へお乗せした後、死体検案書が発行されるまで待ちました。
故人様は、もう寝台車の中にいらっしゃいます。でも、まだ出発できない。書類を待つ。
私は運転席に座っていました。
後ろには、息子さんが数日前まで電話で話していたお母様がいる。息子さんが実家を訪ね、見つけたお母様がいる。警察の現場確認を経て、警察署へ運ばれ、検案を受けたお母様がいる。
そのお母様を、今度は私がお預かりしている。
しばらくして、書類が出ました。内容を確認する。受け取る。
ようやく、出発できます。
なお、死体検案書がどのような書類で、死亡診断書と何が違うのかについては、死体検案書と死亡診断書の違い|発行条件・費用・受領後の手続きで詳しくお伝えしています。
警察署を出る
エンジンを掛ける。ミラーを見る。ゆっくり寝台車を動かす。警察署の敷地を出る。
この瞬間、警察での手続きを終えた故人様を、今度は私たちがご家族のもとへお連れします。
私は30年以上、この瞬間を何度も経験してきました。
派手なことは何もありません。警察官が整列するわけでもない。誰かが見送るわけでもない。寝台車が一台、静かに警察署を出ていくだけです。
でも、後ろに乗っているのは、誰かのお母さんです。誰かのお父さんです。誰かの夫であり、妻であり、子どもです。
だから、私は警察署を出る時、いつも少しだけ運転が変わります。
急がない。乱暴に曲がらない。静かに走る。
ご家族のもとへ帰る車だからです。
警察から「ご遺体を引き取ってください」と言われたら、葬儀社に何を伝えればいいのか
警察署でご家族から実際によく聞かれる質問があります。
「私が迎えに行くんですか。」「葬儀社には何と伝えればいいですか。」「何時に迎えに行けばいいですか。」「そのまま自宅へ連れて帰れますか。」「安置する場所がない場合はどうすればいいですか。」
分からなくて当然です。
まず葬儀社へ、「警察からご遺体の返還について連絡がありました」と伝えてください。
その上で、分かる範囲で、次の内容を伝えていただければ、その後の確認を進めやすくなります。
- 警察署名
- 担当部署・担当者
- 返還予定日時
- 検案などの状況
- 希望するご安置先
全部分からなくても構いません。
私が最初に必ず確認するのは「警察介入ですか」です
警察案件のお電話をいただいた時、私が最初に必ず確認するのは、「警察介入ですか。」です。
警察が介入していると分かれば、通常の病院搬送とは違う前提で話を進められるからです。
そして、警察署。担当者。検案の状況。返還予定。一つずつ確認していきます。
ご家族が全部理解している必要はありません。
電話口で沈黙が10秒以上続くことは珍しくありません。「何を言えばいいか分からない」。それでも構いません。
分かるところから、こちらで整理していきます。
警察からのご遺体引き取りについてよくある質問
家族が自分で警察署へご遺体を迎えに行くのですか?
ご遺体の返還方法は案件によって異なるため、まず警察の担当者へ確認してください。葬儀社などの搬送事業者が寝台車で警察署へお迎えに伺う方法があります。警察から返還について連絡を受けたら、返還場所・予定などを確認し、葬儀社へ相談してください。
警察から返還時間を言われたら、その時間に必ず出発できますか?
必ずしも予定どおりになるとは限りません。検案などの進行状況や警察側の手続きによって、待ち時間が生じる場合があります。村岡葬研葬儀社では、警察側と状況を確認しながらお迎えに伺います。
警察署から直接、自宅へ搬送できますか?
ご自宅へ搬送できる場合もあります。ただし、ご自宅の状況やご安置できる環境などによって判断が必要です。自宅でのご安置が難しい場合には、安置施設を利用する方法もあります。
死体検案書はいつ受け取りますか?
死体検案書の発行や受け取りの流れは、案件によって異なる場合があります。今回の実例では、検案終了後、故人様を寝台車へお乗せした後に発行を待ち、死体検案書を受け取ってから警察署を出発しました。すべての案件が同じ流れになるとは限らないため、担当警察官などへ確認してください。
警察からご遺体が返還される際に確認したいこと
警察から返還について連絡を受けて、「何を聞けばいいか分からない」という方は、まず次の内容を確認してください。
- どこの警察署・施設から返還されるのか
- 返還予定はいつなのか
- 担当部署・担当者は誰なのか
- 検視・検案などは終了しているのか
- 葬儀社がお迎えに行く際に必要な連絡事項はあるか
分からない項目があっても問題ありません。警察から聞いている内容をそのまま葬儀社へ伝えてください。必要な書類や当日の流れについては、警察署からご遺体を引き取る方法|必要書類と流れを解説でもお伝えしています。
担当スタッフより
警察から、「ご遺体を引き取りに来てください。」と言われた時、ご家族はようやく、「帰ってくるんだ」と思われることがあります。
でも、警察署へ行けばすぐ帰れるとは限りません。
検案を待つ。返還を待つ。書類を待つ。警察案件には、待つ時間があります。
私たち葬儀社にとっては、何度も経験してきた時間です。でも、ご家族にとっては、一生に一度かもしれない時間です。
だから、慣れている側が急いではいけない。
確認する。待つ。もう一度確認する。そして、故人様をお預かりする。
警察署を出る時、寝台車の後ろに乗っているのは、「ご遺体」ではありません。誰かの大切な家族です。
そのことだけは、30年以上経った今でも、変わりません。
村岡葬研葬儀社では、警察署からのご遺体のお迎え、検視・検案後の搬送、ご安置、ご葬儀まで対応しています。
神奈川県・横浜市・川崎市・湘南エリア、東京23区で、「警察からご遺体を引き取るよう言われた」「葬儀社を手配するよう言われた」「警察署へ迎えに来てほしいと言われた」という場合はご相談ください。
「あの日、警察から電話が鳴った。」警察案件実録シリーズ
警察から突然「葬儀社を決めてください」と言われたご家族が、何を確認し、どう動けばよいのかを実録形式でお伝えしています。
警察から身元確認を求められたご家族が、「……はい。父です。」と答えるまでの時間と、その後の流れをお伝えしています。
第三話「ご遺体を引き取りに来てください」(この記事)
第四話へ続く。