CASE STUDY

【実例】警察から「葬儀社を決めてください」と言われた日|あの日、電話が鳴った・第一話

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村岡葬研葬儀社 代表 村岡 淳次

警察案件を長年お受けしてきました。検視・検案から、解剖が行われた場合の立会い、ご遺体の搬送、ご安置、ご葬儀まで、数多くのご家族に寄り添ってきました。

警察から「葬儀社を決めてください」と言われた方へ

突然の警察からのお電話。その後、ご家族はほぼ必ず同じ壁にぶつかります。

「葬儀社を決めてください。」

人生で一度あるかないかの出来事です。何をすればいいのか分からないのは、当然のことです。

まず確認することは、四つだけです。

ご遺体はいつ返還される予定か。検視・検案や解剖の状況はどうなっているか。ご遺体をどこへ搬送するか。そして、警察案件に対応できる葬儀社へ連絡すること。

ここからは、実際にお受けしたご相談をもとに、その現実をお伝えします。

午後7時23分

テレビでは天気予報が流れていた。

「明日も厳しい暑さになるでしょう。」

夕食は食べ終わっていた。シンクには茶碗が二つ。冷蔵庫の低いモーター音だけが部屋に響いている。

携帯電話が震えた。知らない固定電話。営業電話だろう。そう思い、一度見送る。

数秒後、また鳴った。嫌な予感がした。

電話に出る。

「はい。」

受話器の向こうは静かだった。落ち着いた男性の声。告げられたのは、聞き慣れない警察署の名前だった。

その一言だけで、胸の奥が冷たくなった。

「本日、ご自宅で……」

「お母様でお間違いありませんか。」

「はい。」

「本日、ご自宅でお亡くなりになっているところを発見しました。」

頭が真っ白になる。テレビはまだ流れている。外では救急車のサイレンが遠くで聞こえる。でも、何も耳に入らない。

母とは四日前に電話をした。

「暑いから水分飲めよ。」

それが最後の会話だった。

翌朝、警察署へ

午前8時45分。警察署の駐車場に車を止める。

建物は思っていたより普通だった。パトカー。自転車。免許更新に来た人。テレビで見る警察署とは違う。日常の延長にある場所だった。

受付で名前を書く。本人確認書類を提示する。

しばらくすると、一人の刑事が近づいてきた。

「こちらへどうぞ。」

長い廊下を歩く。蛍光灯。磨かれた床。壁には防犯ポスター。

部屋へ案内される。机が一つ。椅子が四脚。ティッシュ。紙コップ。

時計の秒針だけが、妙に大きく聞こえた。

現実を受け入れる時間

刑事が静かに説明を始める。発見時の状況。検視の結果。事件性は認められなかったこと。一つひとつ丁寧に話してくれる。

でも、ほとんど頭に入ってこない。

人は本当に大きな出来事の前では、説明の内容より、窓から見える景色や、時計の音の方を覚えているものだ。

説明が終わる。刑事はファイルを閉じた。そして言った。

「それでは、葬儀社を決めてください。」

その一言で、母が亡くなったことを初めて現実として理解した。

検索

警察署を出る。真夏の暑さ。蝉の声。

スマートフォンを取り出す。何を検索すればいいのか分からない。十数秒、画面を見つめる。

ようやく入力する。

「警察から連絡 葬儀」——違う。

「検視後 葬儀」——違う。

「遺体 引き取り 警察」——違う。

知りたいのは、祭壇でも、費用でも、家族葬でもない。

母は今日帰ってくるのか。自分は何をすればいいのか。

その答えだけだった。

一本の電話

検索で見つけた村岡葬研葬儀社へ電話をかける。

「もしもし……」

その後、言葉が続かない。

警察から突然ご連絡を受けたご家族は、言葉を失うことが少なくありません。沈黙が続くこともあります。私は、その沈黙を急かしません。

まず最初に、お聞きすることがあります。

「警察が介入していますか。」

病院で亡くなられた場合と、警察案件とでは、流れが大きく異なるからです。その確認から、ご家族と一緒に現在の状況を整理していきます。

これまでに、何度も聞いた言葉

警察案件では、ご家族から同じご質問を受けます。

「母は今日帰ってきますか。」

「警察へ迎えに行けばいいんですか。」

「葬儀社はどこでもいいんですか。」

「何から始めればいいか分かりません。」

私は、そのたびに同じことをお伝えしています。

「大丈夫です。今やることを、一つずつ確認していきましょう。」

ご家族に必要なのは、難しい専門用語ではありません。安心して次の一歩を踏み出せることです。

担当者より

警察から突然ご連絡を受ける経験は、多くの方にとって一生に一度あるかないかです。だからこそ、私はご葬儀の説明を急ぐことはしません。

まずは警察からどこまでご説明を受けているのか、ご遺体はいつ返還される予定なのか、現在の状況を整理することから始めます。

それが、ご家族の不安を少しでも軽くする第一歩だと考えています。

神奈川で警察からご連絡を受けた方へ

村岡葬研葬儀社は、警察案件を専門に、神奈川全域で24時間365日ご相談を承っています。変死・孤独死・自死・検視後のご遺体対応を通算400件以上お手伝いしてまいりました。近隣であれば最短30分でお迎えにあがることもできます。

「まだ何も決まっていない」という段階のご相談で構いません。今どうなっているのかを一緒に整理するところから始めますので、どうぞお気軽にお声がけください。

なお、この物語のなかで刑事が伝えた「事件性は認められなかった」という言葉の意味については、「事件性はない」と警察に言われたらで詳しくご説明しています。

※掲載許可をいただいたうえで掲載しています。プライバシー保護のため、内容の一部を変更・編集しています。

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