死亡診断書や死体検案書のコピーは、何枚あれば足りるのでしょうか。結論からいうと、必要な枚数に決まりはなく、提出先の数によって変わります。ただ、原本は死亡届と一緒に役所に提出すると返してもらえないため、提出前にコピーを取っておくことが大切です。この記事では、コピーを求められる主な場面と、原本を出したあとで必要になったときの方法(死亡届の記載事項証明書、検案書の再発行)を、公的機関の案内にそってご説明します(2026年10月時点)。
死亡診断書・死体検案書は、死亡届と一体の用紙です
法務省は、死亡届の届書用紙は死亡診断書・死体検案書と一体になっていると案内しています(出典:法務省「死亡届」)。戸籍法第86条第2項も、届書には診断書または検案書を添付しなければならないと定めています。
病院で亡くなった場合は医師が死亡診断書を、警察が関わった場合などは検案をした医師が死体検案書を作成します。どちらも死亡届とひとつながりの用紙で受け取り、ご家族が死亡届の欄を記入して役所に提出する流れです。二つの書類の違いは死体検案書と死亡診断書の違いでご説明しています。
提出すると原本は戻りません。先にコピーを
東京都中央区や静岡市は、死亡診断書(死体検案書)は提出後に返却されないため、写しが必要な場合は事前にコピーを取っておくよう案内しています。葬儀社に死亡届の提出をお願いする場合も、書類を預ける前にコピーを取っておくと安心です。
コピーは、文字がはっきり読めるように取りましょう。死亡届の欄と診断書(検案書)の欄が一枚に並んでいますので、用紙全体が写るようにしておくと、どちらの内容を求められても使えます。
何枚必要か。提出先を数えて決めます
コピーの枚数について公的な目安はありません。必要になりそうな提出先を書き出し、その数に少し余裕を持たせて取っておくのが確実です。提出先によっては、コピーではなく別の書類で足りることもあります。
代わりの書類には、たとえば住民票の除票や、亡くなったことが記載された戸籍があります。どの書類で受け付けるかは提出先ごとに違いますので、手続きの前にそれぞれの窓口で確認してください。
コピーを求められることがある主な場面
日本年金機構は、年金を受けていた方が亡くなったときの「年金受給権者死亡届」を、未支給年金を受け取れる遺族がいない場合などに出すときに添える書類として、住民票の除票や戸籍抄本と並んで、市区町村長に提出した死亡診断書(死体検案書等)のコピーや死亡届の記載事項証明書のいずれかを挙げています。ただし、日本年金機構にマイナンバーが収録されている方は、原則としてこの届出を省略できるとしています(出典:日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」)。遺族厚生年金の請求でも、死亡診断書のコピーまたは死亡届の記載事項証明書が添付書類に挙げられています。
協会けんぽの埋葬料では、事業主の証明が受けられない場合などに、死亡診断書や死体検案書のコピーが、火葬許可証のコピーや戸籍などと並ぶ選択肢のひとつになっています。生命保険の請求では、生命保険文化センターが必要書類の例に医師の死亡診断書または死体検案書を挙げており、必要書類は生命保険会社から案内されるとしています。一方、国税庁の相続税の申告書類一覧や法務局の相続登記の必要書類の案内では、死亡診断書・死体検案書は挙がっておらず、戸籍(除籍)の謄本などが挙げられています。
原本を出したあとに必要になったら
コピーを取り忘れた、あとから提出先が増えた、という場合に考えられる方法は、主に二つです。ひとつは役所などで死亡届の記載事項証明書を請求する方法(遺族年金の請求など、請求できる場面は限られます)、もうひとつは書類を作成した医師や機関に再発行を依頼できるか問い合わせる方法です。
どちらが使えるかは、提出先がどの書類を受け付けるかによって変わります。たとえば遺族年金では、死亡届の記載事項証明書も添付書類として認められています。
死亡届の記載事項証明書の請求のしかた
戸籍法第48条第2項は、利害関係人は特別の事由がある場合に限り、届書に記載した事項について証明書を請求できると定めています。東京法務局は、利害関係人とは届出事件本人、届出人、届出事件本人の親族などで、単なる財産上の利害関係人は含まれないと説明し、特別の事由の例として遺族年金の請求などを挙げています(出典:東京法務局「戸籍届書類の記載事項証明書の交付請求について」の内容を要約)。
請求先は、死亡届を出した時期によって違います。同法務局によると、令和6年3月1日以降に届出されたものは、届出をした市区町村か本籍地の市区町村が窓口です。それより前の届出は、本籍地を管轄する法務局が窓口になる場合があります。届書には保存期間がありますので、必要になったら早めに窓口に問い合わせてください。
死体検案書の再発行は、作成した機関に
死亡診断書は亡くなった病院などに、死体検案書は検案をした医師や機関に、再発行を依頼できるか問い合わせます。応じてもらえるかどうか、手続きや費用は機関ごとに違いますので、まず作成した医師・機関に確認してください。たとえば東京都監察医務院が検案をした場合は、原則として配偶者もしくは三親等以内の親族が請求でき(それ以外の方は窓口で委任状が必要)、手数料は1通900円で(窓口・郵送の場合。電子申請は発行手数料に郵送料を加えてオンラインで支払います)、窓口・郵送・電子申請で請求できます(出典:東京都監察医務院「窓口で請求する場合」)。
警察が関わったケースで、どの医師が検案をしたのか分からない場合は、手続きをした警察署にたずねると分かることがあります。死亡届を出したあとの手続き全体は、検案後の手続き完全ガイドにまとめています。
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