大切なご家族を自死・自殺というかたちで失われたご遺族の方は、深い悲しみと混乱のなかで、警察対応・検視・葬儀準備という現実的な手続きにも向き合わなければなりません。「警察に呼ばれたが、何が始まるのか分からない」「ご遺体はいつ戻ってくるのか」「葬儀はどう進めればいいのか」——一つひとつの疑問にお答えできず、ただ時間だけが過ぎてしまう、そんなご相談を私たち村岡葬研葬儀社にも数多くいただきます。本記事では、警察介入専門の葬儀社として400件超の対応実績を持つ村岡葬研葬儀社が、自死・自殺によりご家族を亡くされた方に向けて、検視から葬儀までの実務的な流れを丁寧に解説します。読み進めるのもおつらい内容かと存じますが、必要な情報だけを冷静にまとめておりますので、ご都合のよいタイミングでご一読ください。
自死・自殺で警察が介入される理由
ご家族の最期に警察が関わると聞いて、「事件として扱われるのではないか」「家族が責められるのではないか」とご不安になる方もいらっしゃいます。しかし、警察介入の本来の目的は事件性の有無を確認するためのもので、ご遺族を疑うためではありません。
日本では、医師の管理下にない死亡(病院外での死亡)の場合、刑事訴訟法に基づき警察が状況を確認することが原則となっています。これは病死・事故死・自死いずれの場合も同様で、犯罪性がないことを確認するための手続きです。検視・検案を経て、犯罪性がないと判断されればご遺体はご遺族のもとへお戻しされ、葬儀の準備に入ることができます。
検視・検案・解剖の違い
警察が関わる場面で出てくる用語の整理をしておきます。
検視とは、刑事訴訟法第229条に基づき、検察官または司法警察員が、変死体や変死の疑いのあるご遺体について、犯罪性の有無を確認する手続きです。実際には警察官が現場で状況を確認し、医師が同行して死亡を確認します。
検案とは、医師がご遺体を確認し、死因・死亡時刻を医学的に判断する行為です。検視の場で医師が同時に検案を行うこともあれば、警察署の霊安室で改めて行われることもあります。検案が完了すると死体検案書が発行されます(病院での通常の死亡の場合は「死亡診断書」が発行されますが、検案による場合は「死体検案書」になります)。
解剖には、犯罪性が疑われる場合に裁判所の鑑定処分許可状に基づいて行われる司法解剖と、死因が不明な場合に行われる行政解剖があります。自死・自殺の場合、犯罪性の判断のために司法解剖が行われることもあれば、状況から犯罪性が明らかにないと判断されて検視・検案のみで終わることもあります。
ご家族発見から警察対応までの流れ
ご家族を発見された際の一般的な流れは以下のとおりです。
① 110番通報:ご自宅・職場・ホテル等で発見された場合、まずは110番でご連絡ください。救急車(119番)が必要な状況であれば119番ですが、すでに息を引き取られていることが明らかな場合は警察対応となります。
② 現場保存:警察到着までは、現場の様子をできる限りそのままにしておきます。動かす・片付けるなどはしないでください。
③ 現場検証・検視:警察官が現場で状況を確認し、医師同行で検視・検案が行われます。所要時間は数時間〜半日程度が一般的です。
④ ご遺体の搬送:検視・検案のあと、犯罪性なしと判断された場合はご遺体を指定の安置場所(葬儀社・自宅・斎場など)へ搬送できます。司法解剖が必要な場合は、警察医院・大学病院などへ移送され、解剖完了後にご遺体が戻ります。
⑤ 死体検案書の交付:検案を行った医師から死体検案書が発行されます。この書類が後の手続き(火葬許可申請・死亡届)に必要になります。
司法解剖が必要となる場合の所要時間
司法解剖が必要と判断された場合、ご遺体がご遺族のもとに戻るまでの時間が長くなります。一般的には半日〜1日半程度ですが、状況によっては数日かかることもあります。この間、ご遺族は連絡先(葬儀社・親族)への連絡や葬儀の概要を整える時間を確保できます。
司法解剖の有無や所要時間は、警察・医師の判断によりますので、葬儀社へのご相談時に「現在どのような段階か」「いつご遺体が戻る見込みか」をお伝えいただくと、その後の段取りをご一緒に組み立てやすくなります。
死亡届と火葬許可証の手続き
検案後に交付される死体検案書を添えて、死亡から原則7日以内に死亡届を市区町村役場に提出します。死亡届と引き換えに火葬許可証が交付され、これが火葬場への提出書類となります。
また、墓地、埋葬等に関する法律第3条により、死亡後24時間は火葬できないと定められています。検視・検案・解剖に時間がかかる場合は、自然と24時間を超えてからの火葬になることが多いです。
これらの手続きは、村岡葬研葬儀社のような葬儀社が代行・サポートできますので、ご遺族が役場に出向く必要がない場合がほとんどです。
葬儀の選択肢|火葬式・直葬・家族葬
自死・自殺によるご家族の場合、ご遺族の心情・ご親族への伝え方・社会的な配慮などから、シンプルなかたちでの葬送を選ばれるご家庭が多くいらっしゃいます。
火葬式・直葬:通夜・告別式を行わず、火葬のみで送るかたち。ご親族のみの少人数で、静かにお見送りいただけます。費用面でも比較的抑えられます。
家族葬:ごく近しいご親族・ご友人のみで通夜・告別式を行うかたち。一般的な葬儀と同じ流れですが、参列者を限定することでご遺族の負担を軽減できます。
一般葬:会社関係・地域の方々もお招きする従来型の葬儀。自死・自殺の場合、心理的ハードルからこの形式は選ばれにくい傾向があります。
どの形式が適切かは、ご遺族のお気持ち・ご親族の意向・故人とのご関係性・経済状況などを踏まえて判断します。村岡葬研葬儀社では、ご遺族の状況を丁寧に伺ったうえで、もっとも負担の少ない形式をご一緒に検討いたします。
ご遺族の心のケアについて
自死・自殺でご家族を失われたご遺族の方は、悲しみだけでなく、自責の念・後悔・怒り・社会的孤立感など、複雑な感情を抱えられることが少なくありません。「もっと早く気づけば」「自分の言葉が違っていれば」と自分を責めるご遺族の方を多くお見受けしてきました。
大切にお伝えしたいのは、ご遺族の責任ではないということです。ご家族の最期は、ご家族ご自身の選択によるものです。ご遺族が「あのとき」「あの言葉」と思いを巡らされるのは深い愛情の表れであり、決して責められるべきものではありません。
葬儀の準備で気持ちが追いつかないとき、ご遺族向けの相談窓口(自死遺族支援団体・自治体の相談窓口・心療内科等)の活用も選択肢の一つです。村岡葬研葬儀社では、ご希望に応じて関連機関のご案内も行っております。
ご親族・職場・関係者への伝え方
ご親族・職場・近隣の方々にお伝えする際の表現は、ご遺族のご意向で決めて構いません。「病気で亡くなりました」「突然のことで」など、詳細は伏せて伝えるご遺族も少なくありません。
これは事実を隠すことではなく、ご遺族の心と社会的環境を守る当然の選択です。誰にどこまで伝えるかは、ご遺族にしか決められない領域ですので、ご無理のない範囲でお決めください。
村岡葬研葬儀社の対応体制
村岡葬研葬儀社は、警察介入専門の葬儀社として400件超の対応実績を持ち、24時間365日体制でご遺族のご相談に応じております。横浜市鶴見区を拠点に、全国47都道府県でご対応しております。
自死・自殺によるご家族の葬送において、私たちが大切にしていることは以下の3点です。
① ご遺族のお気持ちに寄り添う:詳細を無理にお伺いすることはいたしません。必要最小限の情報で手続きを進めます。
② 警察対応・検視・検案・葬儀を一貫サポート:警察とのやり取り、ご遺体の搬送、書類手続き、火葬手配まで一括で対応します。
③ 静かな葬送をお手伝い:ご親族のみの少人数葬を中心に、ご遺族のペースで送れる環境を整えます。
よくいただくご質問
Q1. ご遺体は警察署で何日も預かられるのですか?
A. 通常は検視・検案で半日〜1日程度です。司法解剖が必要な場合は半日〜1日半、長くて数日かかることもあります。状況により異なりますので、警察または当社にご確認いただければ最新の見込みをお伝えできます。
Q2. 警察の対応中、葬儀社に連絡しても良いのでしょうか?
A. はい、検視・検案中であっても葬儀社への事前相談は可能です。むしろ早めにご連絡いただくことで、ご遺体引取り・搬送・安置場所の確保がスムーズになります。
Q3. 葬儀の費用はどのくらいかかりますか?
A. 葬儀形式・参列人数・地域・付帯サービスにより幅があります。具体的なお見積りはご状況をお伺いしてご提示いたしますので、お電話・お問い合わせフォームからご相談ください。一般的に、火葬式・直葬は通夜・告別式付きの葬儀よりも費用を抑えられる傾向があります。
Q4. 菩提寺がある場合、直葬でも住職に連絡すべきですか?
A. はい、菩提寺がある場合は事前に相談しておくことをおすすめします。直葬であっても、後日の戒名授与・四十九日法要などとの関係で、住職とのご相談が必要になることがあります。
Q5. 自死・自殺の場合、火葬場の対応は通常と違いますか?
A. 火葬場の手続きは死因によって変わりません。死亡届と火葬許可証があれば、通常通り火葬を執り行えます。火葬場のスタッフが通常と異なる対応をすることはありませんので、ご安心ください。
ご遺族向け相談窓口について
葬儀の準備と並行して、ご遺族の心のケアも大切な時間です。日本国内には、自死遺族の方向けの相談窓口・支援団体が複数存在します。電話相談・対面相談・遺族の集い(わかちあいの会)など、形式もさまざまです。
すぐに動けない、人と会いたくないという段階でも問題ありません。ご自身のペースで、必要なときに必要な支援につながれることをお伝えしておきます。村岡葬研葬儀社では、ご希望に応じて関連機関のご案内も行っております。
最後に|ご相談はためらわずに
大切なご家族を自死・自殺で失われたとき、「葬儀社に相談していいのだろうか」「どう説明すればいいのか」とためらわれる方も多くいらっしゃいます。私たち村岡葬研葬儀社は、警察介入の現場で多くのご遺族と向き合ってきました。どんな状況でも、お電話一本でかけつけ、ご遺族のお気持ちに寄り添ってご対応いたします。
ご連絡先:0120-001-326(24時間365日受付)
警察署にいらっしゃる場合・ご自宅にご遺体が戻られた場合・解剖中の場合、いずれの段階でもご相談いただけます。お一人で抱え込まず、まずはお気軽にご連絡ください。




