離れて暮らす親のことが気になる。
最近電話に出るまでの時間が長くなった、声に元気がない、買い物に行く回数が減ったらしい。
そんな小さな変化に気づきながらも、日々の忙しさの中でつい後回しにしてしまう方は少なくありません。
しかし現実として、日本では年間およそ数万人の方が自宅で誰にも看取られずに亡くなっています。
高齢化と単身世帯の増加が進む中、この数字は年々増加傾向にあります。
一人暮らしの親を持つ方にとって「もしものこと」は決して他人事ではなく、いつ自分の身に起きてもおかしくない問題です。
この記事では、万が一の事態に備えて今から家族ができる具体的な5つの準備をお伝えしていきます。
すべてを一度にやる必要はありません。
できるところから少しずつ始めることが、いざという時の大きな安心につながります。
備えは早すぎるということはありません。
親が元気な今だからこそ、冷静に準備できることがたくさんあります。
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- 親の暮らしを「なんとなく」ではなく「具体的に」把握しておく
一人暮らしの親に対して「元気にしてるかな」と漠然と心配している方は多いですが、実際に必要な情報を具体的に把握できている方は意外と少ないものです。
たとえば、親がかかりつけにしている病院の名前や連絡先をすぐに答えられるでしょうか。
現在どんな薬を飲んでいるか、持病の状態はどうか、最後に受診したのはいつか。
こうした情報は、万が一親が自宅で倒れて警察が介入するような事態になった際、検視や死因の特定をスムーズに進めるうえで非常に重要な手がかりになります。
病院以外の場所で亡くなった場合、原則として警察が死因を確認する手続きに入りますが、かかりつけ医が持病による死亡と判断できれば、検視が不要になるケースもあります。
つまり、医療情報を家族が共有しておくことは、いざという時に手続きの負担を大幅に軽減する可能性があるということです。
また、近所との付き合いの状況や、普段の生活リズムも知っておきたいポイントです。
「毎朝何時に起きて、何時頃に買い物に出る」といった習慣を把握しておけば、いつもと違う動きがあった時にいち早く異変に気づくことができます。
次の帰省の際にでも、堅苦しくならない範囲で「最近どこの病院に行ってるの」と聞いてみるだけでも、大きな一歩になります。
- 連絡が取れない時の「行動ルール」を家族で決めておく
一人暮らしの親と連絡が取れなくなった時、どのタイミングで誰が動くかを決めていますか。
孤独死の事例を見ると、発見までに数日から数週間かかるケースも珍しくありません。
中には一か月以上経ってから近隣の方が異変に気づいて発見されたというケースもあります。
発見が遅れるほどご遺体の状態は変化し、ご遺族にとって精神的にも経済的にも大きな負担がかかります。
特殊清掃が必要になったり、ご遺体の損傷が激しくお顔を見てお別れすることが難しくなったりと、取り返しのつかない状況につながることもあるのです。
だからこそ、日頃からの連絡体制がとても重要になってきます。
たとえば、毎日決まった時間に短いメッセージを送り合う習慣を作っておくだけでも、異変に気づくまでの時間は大幅に短縮されます。
「朝の挨拶が二日続けて来なかったら、近くに住む親戚に様子を見に行ってもらう」「三日連絡が取れなかったら管理会社に連絡する」といった具体的なルールを家族間で共有しておくことが大切です。
最近では、高齢者の見守りに対応したサービスや機器も増えています。
電気やガスの使用状況で安否を確認できるサービスや、一定時間動きがないと家族のスマホに通知が届くセンサーなど、離れていても異変を察知できる仕組みを活用するのもひとつの方法です。
大切なのは、何か起きてから慌てるのではなく、起きる前に動き出すための仕組みを作っておくことです。
こうした備えは親を監視するためのものではなく、お互いが安心して暮らすためのものです。
親にもその趣旨を丁寧に伝えれば、抵抗なく受け入れてもらえることがほとんどです。
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- 警察が関わる死亡の流れを事前に理解しておく
あまり考えたくないことではありますが、もし親が自宅で亡くなった場合、病院での死亡とはまったく異なる手続きが発生します。
自宅で人が亡くなり、死因が明らかでない場合には警察が介入することになります。
これは犯罪の疑いがあるからではなく、日本の法律上、医師が最期を看取っていない死亡については死因を確認する義務があるためです。
突然警察官が何人も自宅に来て、事情を聞かれたり指紋を採取されたりすることに驚くご遺族は多いですが、これは通常の手続きですので心配はいりません。
警察が到着すると、まず現場の状況確認が行われ、検視官や医師による検視が実施されます。
場合によっては行政解剖や司法解剖が必要になることもあり、ご遺体がすぐにご家族のもとに戻らないケースもあります。
早ければ半日程度で検視が終了することもありますが、死因の特定に時間がかかる場合は数日を要することもあります。
この間、ご遺族は警察とのやり取りに加え、葬儀社の手配や各種届出の準備を並行して進めなければなりません。
こうした流れを事前にまったく知らない状態で突然当事者になると、混乱の中で判断を誤ったり、不必要な出費が生じたりすることがあります。
「うちの親に限ってそんなことは」と思う気持ちは自然なことですが、知識として頭の片隅に入れておくだけで、いざという時の対応力は大きく変わります。
- 葬儀社は「その時」ではなく「今」調べておく
親が突然亡くなった場合、多くの方が最も困るのが「葬儀社をどこに頼めばいいのかわからない」という問題です。
特に警察が介入するケースでは、警察署からご遺体を引き取る段階で葬儀社を決めておく必要があります。
警察から「引き取りの準備はできていますか」と聞かれた時に葬儀社が決まっていないと、その場で慌てて探すことになってしまいます。
時間的な猶予がほとんどない中、インターネットで慌てて検索し、最初に出てきた業者にそのまま依頼してしまう方も少なくありません。
しかし、警察が関わる葬儀には一般的な葬儀とは異なる対応力が求められます。
警察署とのやり取り、ご遺体の搬送、検視後の対応、死体検案書の受け取りなど、経験と専門知識がなければスムーズに進められない場面が数多くあります。
一般的な葬儀しか扱ったことのない葬儀社に依頼した結果、対応が遅れたり、想定以上の費用が発生したりするケースは実際にあります。
だからこそ、元気なうちに「もしもの時はここに連絡する」という葬儀社の候補を決めておくことをおすすめします。
特に警察介入の実績が豊富な専門の葬儀社を事前にリストアップしておけば、いざという時に冷静な判断ができます。
費用の目安やサービス内容を事前に確認しておくことで、深い悲しみの中での金銭的なトラブルも防ぐことができます。
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「親と話しておくべきこと」を先延ばしにしない
葬儀の希望、お墓のこと、預貯金や保険の情報、大切にしている持ち物の扱い。
こうした話題は、元気なうちに話し合っておくのが理想ですが、実際には「縁起でもない」と避けてしまう方がほとんどです。
親の側も子どもに心配をかけたくないという思いから、自分の体調や生活の困りごとを隠してしまうことがあります。
しかし、本人の意思が確認できないまま亡くなってしまった場合、残された家族は何が正解かわからないまま、短い時間の中で次々と決断を迫られることになります。
直葬でいいのか、お花は飾るべきなのか、誰に連絡すべきなのか、宗派はどうするのか。
本人がどう望んでいたのかわからないまま進めることは、後になって家族の中に「あれでよかったのだろうか」という後悔を生むことがあります。
兄弟姉妹がいる場合は、それぞれの考え方の違いからトラブルに発展することも珍しくありません。
すべてを一度に話す必要はありません。
たとえば帰省の際に「最近お墓参り行ってる?」という話題から自然に広げてみたり、「友達のお母さんの葬儀がこうだったよ」と他の事例を交えて切り出してみたり、少しずつ距離を縮めていく方法もあります。
エンディングノートを一緒に書いてみるのもよい方法ですが、いきなり渡すと構えてしまうこともあるので、まずは会話の中で少しずつ聞き出していくのがおすすめです。
親の考えを聞いておくことは、親のためだけでなく、いざという時に迷わず行動できる家族自身のためでもあるのです。
もしもの時は村岡葬研葬儀社にご相談ください
ここまでお読みいただいた方の中には、すでに一人暮らしの親のことが気がかりで、万が一のことを真剣に考え始めている方もいらっしゃるかもしれません。
村岡葬研葬儀社は、警察が介入する葬儀を専門に扱い、これまでに400件を超える警察事案に対応してまいりました。
変死、急死、事故死、孤独死など、あらゆるケースにおいて、警察署とのやり取りからご遺体の引き取り、検視や解剖への立会い、そしてご葬儀まで、すべてを一貫してお任せいただけます。
全国47都道府県どこからでも対応が可能です。
「まだ何も起きていないけれど、事前に相談だけしておきたい」というお電話も歓迎しております。
突然のことでどうすればいいかわからない、という状況でも、24時間いつでもご相談をお受けしております。
大切なご家族のもしもに備えて、まずはお気軽にお問い合わせください。
ご遺族の不安を少しでも軽くするために、経験豊富なスタッフが丁寧にサポートいたします。
「あの時、事前に調べておいてよかった」。
そう思える日が来た時に、少しでも皆さまのお力になれれば幸いです。